突然ですが、みなさん!“歌舞伎”を観たことありますか?
実際のところ、なんとなく敷居が高い気がして、興味がない訳じゃないけど行きづらい…って人もいるのでは?私の周りでも、しきたりが多そう、セレブな人たちが行くところ、気軽に行けない、高そうetc…なんて声をよく耳にします。
でも実は、気軽に“歌舞伎”を楽しむ方法があるんです!それは「一幕見(ひとまくみ)」というシステム。
今回は、意外と知られていない「一幕見」についてご紹介します。歌舞伎ってどんな雰囲気なのかまずは体験してみたい!という方、必見ですよ。そして、嬉しいことに料金は演目によって500円~2,000円程度なので、おサイフを気にせず行けちゃうところも魅力的なんです。
一幕見(ひとまくみ)とは
好きな幕だけを気軽に鑑賞できるのが、「一幕見席」です。何回も公演を観たい方や、歌舞伎を初めて見る方のための、歌舞伎座ならでは人気席。
人気の公演でチケットが売り切れているけど観たい!というときや、歌舞伎を全幕観る時間がないときにもオススメです。
一幕見席は、歌舞伎座の4階にあり、椅子席:約90名、立見:約60名、合わせて約150名で、すべてが自由席。椅子席は2列あり、一番後ろの壁沿いに段(ベンチ状)が設けられていました。(立見の方はそこからも鑑賞できるようです。)
試しにその段の上に立ってみたところ、なかなか視界は良好!壁がすぐ後ろにあるので、背をもたせかけることができ、思っていたよりも辛くないなぁというのが感想です。
リーズナブルな料金設定
歌舞伎座では、毎月異なる演目を上演するので、幕見席のチケットの販売時間や値段も月ごとに変わり、公演初日に決定されます。詳しくは、歌舞伎公式総合サイトの「歌舞伎美人」で発表されるので、チェックしてみてくださいね。だいたい、初日前日の夜に掲載されることが多いようです。
ちなみにこのサイトの読み方は「かぶきびと」、「かぶきびじん」ではないのでお間違えないように。…かくいう私は、お恥ずかしながらずっと勘違いしてました。。
また、通し(すべての幕を続けて観ること)で昼の部または夜の部を観る場合は、3階B席に残席がないかチェックしてみましょう!当日の場合、残席があれば歌舞伎座地下1階の切符売場で買うことができます。
じつは、3階B席と通しの料金は同じ4,000円に設定されているので、残席があれば並ぶ必要がない上に、幕見席より前の列で観ることができるんです!時々キャンセルなどで、お席が戻っている場合があるので、確認しておくと吉です。
演目によって変わる発売予定時間
混雑状況や演目の時間によって、発売予定時間は変動することがありますが、昼の部の1番目の幕の発売は、10:30~からになっています。
どれくらい早くから並べば買えるのか、座れるのかは、演目や出演者の人気にも左右されるので、ハッキリとした基準はありません。開演5分前に行って座れることもあれば、発売開始1時間前に行っても買えないことも!?
とはいえ、だいたい9:30くらいから並ぶと座れるようです。私が行ったときは、9:30の時点ですでに10数名の人が並んでいました。日曜日かつお天気だったので、比較的人出があったのかもしれないですね。
当日のチケット購入待ち~購入
歌舞伎座1階正面玄関の左に、幕見席のチケット売場があり、発売開始時間まで購入待ちの列に並びます。40名くらい座れる長椅子が用意されているので、早ければ座って待つことができますよ。並んでいる人が多いときは立って時間を待つことに。
並んでいる間トイレなどで列を離れるときは、前後の人に声をかけ、お顔を印象付けて、自分がいたことをアピールしてから動きましょう。
こういった注意事項などは、待っている間、歌舞伎座スタッフがアナウンスしてくれるので、初めての方でも安心です。また、留意事項が書かれたシートも配布されるので、聞き逃した方もそちらを見れば問題なしですよ!
チケット購入~入場
発売開始時間になると、列の順番でチケットが購入できます。現金のみでクレジットカードの取り扱いはないので、お財布の中身のチェックはお忘れなく。
購入したときに指定された時間よりも余裕を持って、4階ロビーに集合しましょう。一幕見専用のエレベーターがあるので、4階へはこちらを利用します。※昼の部の1番目の幕を観たときは、購入後すぐエレベーターへと案内されました。
ロビーに着くと、係員の呼び出しに従って、チケットの番号順に並びます。その場に開演15分前に居ないと、番号は無効になってしまうので時間厳守ですよ。時間になったら、ついに入場です!!
入場~お芝居鑑賞
幕見席はすべて自由席なので、好きな席をGETできます。とはいえ、チケットの番号順に入場するので、遅い番号だとベストポジションは難しそうです。もちろん、確保できるのは1人1席まで。座席がすべて埋まっている場合は、立見になります。
幕見席から観た印象は、花道も舞台全体もほぼキレイに見えてなかなか良かったです。個人的には、上から見下ろす格好になるので、舞台の奥の方がやや見えづらいかな、という印象はありますが、ほとんど気にならない程度なのでお値段を考えればアリです。
困ったときのイヤホンガイド
歌舞伎が初めての人の強い味方“イヤホンガイド”は、一幕だけ借りても、すべての幕を通しで借りてもお値段は一律です。
気になる料金は500円。貸出を受けるときに保証金1,000円をあわせて支払いますが、機材を返却するときに1,000円は返却されるので、実質500円です。
あらすじや、動きの意味などを解説してくれるので、予備知識がなくても歌舞伎を楽しめますよ。
楽しさ10倍!オペラグラス

出典元:naver
役者さんのお顔をハッキリ見るなら、オペラグラスがオススメ。さすがに4階からだと、相当視力が良くない限り、役者さんのお顔は米粒くらいで肉眼ではよく見えません。。歌舞伎ならではの隈取り(くまどり)や表情を見るなら、オペラグラスはあると重宝します。
4階窓口で1,080円で販売しているので、手軽に持ちたいという方は購入してみても良いかもしれないですね。
出店(売店)、お食事処はないので事前準備を
4階に飲み物の自動販売機はありますが、売店やお食事処はないので、長丁場になるときは、あらかじめコンビニなどで調達しておくと良いですよ。
4階の幕見席は独立したフロア。3階以下のフロアには降りることができないので、1階ロビーにあるお土産物屋さんも利用できないので、ご注意を。
筋書は2パターンある?!
“筋書”という、あらすじや演目の詳しい解説、出演者の顔写真などが掲載されている冊子があるので、歌舞伎に行った記念に購入するのもオススメ。数年後に読みかえしてみると、今を時めく俳優さんの若かりし頃の様子が載っていたりと、のちのちのお楽しみになることも。内容によって1,300円~1,500円で購入できます。
また、公演日程の後半(だいたい20日前後)なると、その月の舞台写真が入ったものが、なんと同じ価格で発売されるので、好きな役者さんが出ている月はどちらも揃えてみるのも粋ですね。
まとめ

出典元:laughy
演目の中でも、派手な動きのあるものはいかにも歌舞伎らしく、いっぺんにその世界に引き込まれてしまうこともしばしば。
個人的には、美貌と教養を兼ね備えた最高位の遊女である“太夫(だゆう)”が出る演目がオススメ。なんといっても、着物やかんざしなどが華やかで、女形(おんながた)を演じる役者さんがとっても艶やか!女性であってもなかなか醸し出せない雰囲気に、学ぶべきところを感じつつ、その姿にウットリします。
女形の中でも「人間国宝」の坂東玉三郎さんは、日本屈指の女形として知られています。演技力は世界的に評価されておりAFPが世界に紹介しています。そのときの映像はこちら。
歌舞伎って、知っている人がいないと行きづらい、というようなイメージを持っている人も多いように感じるので、“一幕見”がそんな方のはじめの一歩になれば良いなぁと思っています。
日本が誇る伝統芸能“歌舞伎”。観たらあなたも、非日常の世界にハマってしまうかも!?