「一口50万ドル(およそ5,500万円)の投資でグリーンカード(つまり、アメリカでの永住権)をあげる」という、ちょっとびっくりな見出しの記事がThe New York Times紙に掲載されました。
アメリカに住みたい人にとって、喉から手が出るほど欲しい永住権。なぜなら、学生ビザや労働ビザには色々と制約があり、アメリカで働いたり、長期間住んだりすることはとても難しいことだから。
となると、滞在期限がない!どんな仕事にも就ける!どんな勉強でもできる!という永住権はとっっても魅力的に見えますよね。
ということで、今回は投資を通じて得るグリーンカードに迫ってみたいと思います。
Green Cardとは
Green Cardは、アメリカへの出入国が自由で、滞在にも期限がなく、職業も自由に選ぶことができるビザです。
日本では永住権またはグリーンカードと呼ばれていますが、 その他にLPR(Lawful Permanent Resident)またはPR(Permanent Resident)ビザとも呼ばれています。
永住権を申請する場合は、本人だけではなく配偶者および21才未満の未婚の子どもも同時に申請することが可能です。
ただし、永住権はあくまでもビザであり国籍ではないので、投票権や一部の公的な職に就くことはできないのでご注意を。
ちなみに、グリーンカードの名前の由来は、1940年代当初に採用されたカードの色がグリーン(現在は白)だったことに起因するそうです。
50万ドル投資でアメリカ永住権ってどういうこと?

出典元:orlandocity
写真は、フロリダ州オーランド市で建設中のサッカー場の完成予定図。地元のプロサッカーチーム「オーランドシティ」の本拠地になるスタジアムです。
建設費はおよそ170億円と見込まれていますが、フロリダ週から補助金を断られたため、チームのオーナーが資金調達のため白羽の矢を立てたのは、中国やブラジルなどの外国人投資家。
その口説き文句は、「一口50万ドル(およそ5,500万円)の投資でグリーンカード(つまり、アメリカでの永住権)をあげる」です。
<原文:The New York Times紙より>
「The Price for a Green Card: A $500,000 Investment in a Soccer Stadium」
そんなのアリ?と思いますが、じつはこの方法、アメリカでは条件付きながら合法で、記事によると過去にもマンハッタンやマイアミなどの建設業者は、金融危機で銀行による貸し渋りが広がる中、この方法でホテルやマンションの建設資金を集めたといいます。
EB-5投資家ビザプログラムとは
上記の内容、じつはEB−5ビザというプログラムのことで、投資を通じて永住権を得る方法なんです。
そもそもは「最低100万ドル(約1億1千万円)の投資をすれば永住権を与えます」という意味の永住権で、アメリカ政府が外国人投資者を優遇した制度。特に景気が悪いと指定された地域開発事業に投資をする場合、必要な投資金額はなんと半額の50万ドルになります。
事業の内容は、ホテルや工場の建設・インフラ整備など、地域振興に役立つもので、最低10人の雇用を生むことが条件になっています。
このプログラム、100万ドルの資金を持っていれば永住権が取得できるということから「100万ドルクラブ」(Million-Dollar Club)とも呼ばれています。つまり、100万ドルという資金を投資できるのなら、永住権がすぐに“買える”という訳なんです。
この申請方法で永住権を取得すると、最初に発行される永住権は2年間有効のものとなります(条件付き永住権と呼ばれています)。
そして、2年経ったら再びEB-5の申請をし、移民局の再承認を経ると、最終的な永住権が発行されます。これは、最初に100万ドルの見せかけ投資を行い、永住権取得とともに投資を引き上げる、ということを防ぐのが目的です。
このプログラムは、これまであまり知られていませんでした。しかし、中国の富裕層が家族のために永住権を取得しようとこの制度を利用するようになり、申請が急増しています。
まとめ
こうした永住権の申請は、ここ10年ほどで90倍も増えていて、新たな資金調達方法として注目されています!
<この方法での永住権申請>
2003年 100件未満
2015年 9,000件近く
最近はノマドワーカーに代表されるように、居る場所に縛られない働き方が増えてきています。スタバでMacのPCをカチカチしている人、よく見かけますよね。また、将来的には終身旅行者を目指している人もいるのではないでしょうか。
そんなとき、こういった方法でアメリカに住むというのも、選択肢の一つになりますよ。人生デザイン、いろんな可能性を模索して考えてみると、夢が膨らんでどんどん楽しくなりますね♪