昨年の夏、猛威を振るった「デング熱」。今年もテレビなどのメディアで取り上げられており、世間の関心が高いことがうかがえます。
というのも、重症化すると出血が止まらなくなるなどの危険な状態になり、入院が必要になるケースもある恐ろしい感染症だから。芸能人も感染して入院したことは記憶に新しいですよね。
そこでデング熱の見分け方、対処法、そして話題になりつつある最新の予防対策をご紹介します。実は、デング熱の疑いがあるときに飲まない方がいい薬もあるので、そちらもしっかりチェックしてくださいね。
デング熱とは
デング熱とは、蚊を媒介にしてデングウイルスに感染する感染症。
世界100か国以上で発生していて、蚊がデングウイルスに感染した人を刺し、その蚊が別の感染していない人を刺すことによって感染が広まります。ただし、人から人へ直接感染することはないのでご安心を。
生息場所は

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デング熱の感染源となる蚊は、都市部にも生息し、日中刺す性質があります。
昨年の経験からさまざまな防御策がとられていますが、デングウイルスなどの感染症は海外の流行地からも運ばれてきます。
水たまりや茂みがあり、かつ人が大勢集まる公園やアウトドアスポットなどは要注意です!
昨年、一時閉鎖し蚊の駆除が行われた代々木公園は、蚊にとってもってこいの場所だったことがよく分かりますね。
おもな症状は

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デング熱は、蚊に刺されてから3~7日間の潜伏期間を経て発症し、38度以上の高熱が2~7日続きます。
おもな症状としては、高熱や頭痛、目の奥の痛みなどで、安静にしていれば自然解熱していきます。ただし実際のところ、感染しても50~70%の人は無症状。無症状なら治療も必要ありません。
その一方、まれに重症化するケースもあります。重症化すると「デング出血熱」といって、血液中の血漿(けっしょう)が漏れ出し、血小板が少なくなったり、血圧が下がったり、出血が止まらなくなるなど危険な状態に。重症になると入院して、点滴などで対応することになります。
蚊に刺された後、高熱が出たときは病院へ行きましょう。昨年の流行を受けて、今年の夏ごろから、たくさんの病院で検査キットが使える体制になるそうです!
予防ワクチンがないので対策はしっかりと

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できる対策としては、まず、蚊に刺されないこと、自分の生活環境に蚊を増やさないことです。家の前や庭などに水たまりができていたら、対処しておきましょう。
また、デング熱には、予防ワクチンがないので、「ディート」という薬剤を配合した虫よけ剤をドラッグストアで購入して、蚊にさされないような工夫を。日本で販売されているものはディート濃度が低いので、繰り返し塗ることがポイントです。
大ヒット!帝人の蚊が嫌う服「スコーロン」

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最近は、繊維に虫よけ加工をしたパーカーやストールなども発売されています。虫よけ剤が苦手な人やお子さんにオススメです。
その中で、帝人の蚊などの害虫に刺されにくくなる生地「スコーロン」を使った服が人気となっています。実は、2007年に発売されアウトドア服などで細々と使われていましたが、昨年のデング熱の流行で大ブレイク!今年の服の売れ行きは、昨年に比べて2倍で、女性の購入が多いとのこと。
アース製薬が開発した気化しにくい防虫剤を、帝人の技術でしっかりと接着し生地にしているので、20回以上洗濯しても8割以上効果が続くというのも嬉しいですね。
解熱鎮痛剤を安易に飲むと大変

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デング熱の疑いがあるときは、解熱鎮痛剤の使用に注意が必要です。アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(MSAIDs)という種類の解熱鎮痛剤は、デング熱の出血という合併症のリスクを上げるといわれています。
デング熱に使える解熱剤、使ってはいけない解熱剤
○:アセトアミノフェン配合の市販薬
×:アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの非ステロイド性の抗炎症薬(MSAIDs)
まとめ

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蚊を介した感染症はデング熱だけではありません!海外旅行に行ったときにも同様の対策をしておきましょう。刺されてからでは遅いですからね。
また蚊にも、好きな色・嫌いな色があるようで、黒→青→赤→緑→黄→色の順に認知しやすいそうです。なので、公園などに行くときは、黒い服よりも白い服の方が蚊に刺されにくいということになります。
過度に心配する必要はありませんが、正しい知識と予防で、ならなくてもいい感染症をブロックして、夏を楽しく過ごしましょう!